私が木工事をしている間、Hさん夫婦は居間で木に紙貼り。
これは天井につく廻り縁、ペイントでは色が飛びすぎるので赤い紙を貼り
それに柿渋を掛けて色に渋さを出します。

赤い廻り縁は当初からのHさんのイメージとしてあり、マストアイテム。
壁に和紙を貼りその延長として赤い紙を貼った廻り縁というストーリー立てにしました。

色が飛びすぎるからと最初反対しましたが、どうにも譲らずそこから壁に
和紙を貼ることにのです。

紙貼りの良い所は足算が効くというところ、具合が悪ければ別の紙を貼れば
いいのです。彼女の個性をまず活かすことをやってみたいと思います。

まつばRでデザインしたスツールを少しだけアレンジして4脚つくりました。
手持ちの裂織を張地としました。



通常の張地をこのように貼るのはなかなか難しいのですが、意外と裂き織りは
3次元のR面への追従性があり上手くいったと思います。

私の定番のデザインにしようと思います・・、形、構造、材（木と布）の使い方
が私の感性にあっているのです。

Hさんは裂織をやっている方です。夫婦二人だけになり、住まいが自由に
なったこともあり自分の作品をディスプレーするマイ・ギャラリーをつくろうと
いうことになりました。

四畳半を少し広くしたくらいの空間を快適で居心地よくしたいと、依頼されました。
彼女のイメージはだいたい出来上がっていて、私はそれを増幅すること。

しっくり来る場を作るためにはそれなりの法則に則る必要があります。
大きな要素から小さなことまで、それぞれのスケールでデザインがなされて
いなければいけません。
素材はパインの板と生成りの和紙。
時には横になれるベンチを準備、なかは収納として作品や布を入れます。

可動の棚を自由に動かしてしつらえます。

友達を呼んでお茶会をする・・・、茶室的なイメージですね。

工事の主役は大工さんだったり家具屋さんだったり左官屋さんだったり、
まあみんなが主役といえば主役なんですが、完成形を意外と誰も知らないと
いうことがあります。
強いて言うと建具屋さんや電気屋さんが最後の方で現場に入りますから
仕上がった姿を見ますが、大工さんなど途中で現場を離れますから、打ち上
げでもやらないと見ずに終わってしまうことになります。

今回は家具類やベンチなどのセットが最後でしたしね。
手漉き紙貼りのトビラなど建具屋の泉川さん見ていませんから、改めて
「こんなこと出来る？」 ってな具合に打合せも兼ねました。

事情があり４人だけの打ち上げとなりましたが、忘年会を兼ねてこぢんまりと
かほりやでやりました。

游工房のＨＰを見てＴさんからリフォームの相談を受けました。
一度お宅へお伺いし、今回は私のところに来て頂きました。

近くにある私の仕事を２ヶ所見て頂いて、自宅の台所で打合せというかおしゃ
べりをしました。

 

一つめのＯさんのお宅は数年前にやらせて頂いたの仕事ですが、近くでもあり
時々お客さまを案内させてもらいます。
しつらえはプロ級、自分で育てた草花を活かし作品化の域に達したインテリアです。
すまいの域を超えてショウルームのようで、お連れしたＴさん夫妻からは感嘆の声、
手がけた私にとっては実にありがたい案内ヶ所となっています。
素敵な庭を望みながら手作りのケーキを美味しくいただきました。