デザイン・1    Rの活用

　　    Rの効用は大きい物があります。
   　　　　　　　　　　　
　　　　オーナー側から  Rのカウンターを強く要望されました。
　　　　　　　　　　　
        ○　空間が柔らかくなり、動きが生じ、 場が活性化します。
                        
        ○  お客様の意識に一体感が出てきます、コミュニケーションを促します。
 　　　　　　　　　
        ○  Rを適度に配することで、空間がうんと豊かになります。

　　 デザイン・2   オリジナル イス・テーブル
　　　　　　　　　　　　
　　　　オリジナルな場を作るために、イステーブルもオリジナル。
         何日もかけてデザインし、 試作をして具合をチェック。
　     　お客様に一番近く、直に触れる物です。
　　　　逆に言えば店側のメッセージを一番出せやすいアイテムとも言えます。
　　　　それをデザインメッセージに活用します。

 　　デザイン・3   新しい材料・新しい表現　　

　　　　 木は誰からも好まれますが、だからといって執拗に使うと
　　　   場がうっとうしくなってしまいます。
　　　 　最初の考えでは杉板を白ペイントで乱塗りしようと思っていたのですが、
　　　 　その泥臭さが気になってOSBという材料を主材に使うことになりました。
　　　　 木片を圧縮・接着した材で形状はパネル状です。
　　　 　本来は裏方に使う安い材ですが、サンダーがけをしたおしゃれな
　　　    タイプの物を見つけました。

　　　　 快適で気持ちをゆったりさせてくれる材や使い方を常に
　　　　 探していますが、このOSBはなかなか面白い材で、
          オーナーも気に入ってくれました。

　　デザイン・4    気に入られるデザインって？
 
　　　　　自分が面白いと思うデザインを、与えられた条件の中で探します。
　　　　　お客様に気に入られようと思うより、
           どちらかというとお客様の感性を
　　　　　挑発したい  という気持ちが根底にあります。
　　　　　肉体的、生理的に快適であることは心掛けます。
　　　　　 心理的にも心地よくなければなりません。
　　　　　そのため使用する材は木が中心となります。
　　　　　それを補完する仕上げ材は、左官や紙といったところです。

　　　     最終仕上げは、木や紙と良くマッチする  柿渋をよく使います。


　　 デザイン・5　　あかり

　　　　 　仕上げ材が、その豊かな表情を発揮できるのは  光のおかげです。
            天の川をイメージした  照明計画を天井に施しました。
　   　  　器具自体は  シンプルこの上ないデザインです。
            調光の組み合わせで、 光そのものをデザインすることが出来ます。

　　       基礎照明のほかに、光のオブジェをいくつか置きます。
　　　　   お酒を飲むのに最高の‘あかり’となるはずです。

      デザイン・6　　布（裂き織）
　　　　　　　　　　　
　　　　　オリジナルの木のイスに、裂き織布のクッションを付けます。
　　　　　裂き織は素材感が豊か、場をまろやかにし、
　　　　　場に  くつろぎ感をもたらしてくれるはずです。
　　　　　布自体もオリジナルデザイン、全体のデザインに合わせます。

　　　デザイン・7　  サイン

　　　　　アイキャッチャーとしての「魚+人型のサイン」を考えたのですが、
　　　　　その流れで、フロントのガラス戸のデザインモチーフも「さかな」に。
　　　　　お遊び・冗談色が強い  と思われるかも知れません。
　　　　　　　　　　　
　　　　　町中に広告があふれています。
　　　　　そんな中で見てもらえるインパクトのあるサイン・・・は。
　　　　　大まじめで考えたら、出てきたのがこの案です。
　　　　　　　　　　　
　　　　　お店がスタートすれば、いろんな意味で答えが出ます。
　　　　　デザインのありとあらゆる面を  かなりのエネルギーをかけて
　　　　  吟味しました。
           厨房も新設ですので、機器のレイアウト、作業動線、収納関係など
　　　　　繰り返し繰り返し  検討し、最終の決定は工事がスタートしてから。

                      

                        繁盛店に向かって

　　　　　ほほ連日満席、という2階のかほりやの状況があって、
　　　　　1階への展開を積極的に考えることが出来たのだと思います。
　　　　　　　　　　　
　　　  　「田中さんとやっていると仕事という感じがしない。」
　　　　　  オーナの青木さんの言葉です。

　　　　　楽しいから、幾らでも考えることが出来る。
　　　　　積み上がっていくから、大量の作業が無駄にならない。

　　　　　繁盛店というのは、多くの方に支持されると言うことに他なりません。
　　　　　人に愛されなければ、無いも起こらないということです。
　　　　　　　　　　　
　　　　　その前に当事者にその計画が愛されてという条件がつきます。
　　　　　　　　　　　
　　　　　オーナーの熱い思い、 しっかりした計算、許容力、理念が
　　　　　設計者の力を引き出してくれました。