クジラコレクションの中からの一品(レリーフ)を壁に取り付け、
左官で埋め込んでもらいました。
玄関にクジラの引き戸込み戸がまずあり、その先の壁の下の方にいます。
左官屋さんといろいろ仕上げなどのことをはしているうちに、浮かんだアイデア。
「そうだ、左官屋さんに波の模様入れてもらおう」
壁のクジラは二頭、一ヶ所は荒々しく、居間の方は穏やかな波に。
遊びの分かる左官屋さんで潮を吹いている姿にしてくれました。
「ジャンプして潮は吹かないんじゃないか?」
という意見もありましたが、おかしみがあって楽しい絵が出来上がりました。
天井の板貼りと左官のRの取り合わせ、これもやりたかったデザインです。
監督は毎日のように来ていますが、実際はそんなにやることがある訳では
ありません。
まあ私にしてもそうですが、それで現場で何をするか、累計で言えば膨大な
時間となりますから、学んだり習得したり何かできますね。
ここの監督はいろいろと自分でもやりたい口で、今日は左官屋さんの壁塗り
実習を受けていました、小技をいろいろと習得したいという前向きな人ですね。
30年やっているという松丸さんから幾らかポイントを教えてもらって、
冷蔵庫置き場の目立たないところで試し塗り。
ある左官材のメーカーはお金をとって左官教室を開いています。
ビニールクロスの上に直に塗れるため、DIYで自宅の壁を塗りたい人が
結構いる様です。
プロのようには塗れませんが、それでも左官壁は塗り方を問わない位の
許容力があります。
設計者も監督もちょっとした得意の作業分野を持っていると
良いんじゃないでしょうか。
問題は全体のバランスやコーディネートであって、施工精度が良ければ
良いという考えは私にはありません。
快適で、リラックスできてちょっと理解できないところもあり・・・といったところを
考えている私にとっては、
左官屋さんに絵を描いてもらったり、大工さんに一工夫してもらったり、
監督に塗装してもらったり、全部OKです。
せっかくの仕事ですから記憶に残る楽しい時間もあって良いと思っています。
それもこれもお施主さんの大きな手のひらの上でのことですが。
そうした意味で、創る力がプラスの方向に出ている楽しい現場です。