中川沿いの葛飾区水元地区では区画整理事業が進み、どの区画も住宅の
建て替えが進んでいて、ちょっとした新築クラッシュです。
長くここにお住まいだったIさんも建て替えることになり、去年から設計作業は
始めていて、2月末には確認も下りていました。
4月に区画整理事業が完成し、工事がスタート7日の日建前となりました。
この地域でも在来工法による新築は本当に少なく、
ハウスメーカーのものがほとんどです。
日本の住まいの作られ方にはっきりとした流れが出来上がったのでしょうか。
そんな中で在来工法のI邸は異色の存在と言えるほどです。
水元で長く工務店をやっている長野さんのところの仕事で、去年近くにもう
一軒やらせてもらいました。
敷地条件から単純な平面をしていますが、Rの屋根とR型のベランダをデザイ
ンに取り入れ、立体的な特徴を出そうと考えました。
打ち合わせで潤いのある住まいと言うことが話題になりました。
R型のベランダには腰板に板を貼ります。
板張りは良く提案するのですが、なかなか実現しないのが正直なところです。
やはり、板→腐ると言うイメージが強いのでしょうね。
20年や30年は問題ないと思いますが、
将来の貼り替えやメンテナンスが前提となります。
外まわりに板を使うには雨がかからないような設計上の工夫も必要ですし、
水切れの良い納まりも大事です。
ありがたいことにその辺のことを良く納得頂きました。
Rのある優しい屋根や板張りのベランダが、通りに楽しみをもたらしてくれるの
では無いかと期待しています。