桜チェアー
何年も暖めスケッチを重ねてきたイスのアイデアを作品にして
今年の初めの展覧会に出しました。
2シーターの長いすです。
もう一脚シングルシーターもそのうち作ろうと、パーツだけは準備しておきました。
長いすの方は友人の倉庫で眠っているのですが、
アイデア先行でいきなり作ったこともあって
予想外のことが生じ完成品にまでいたっていません。
今回の「ての市」出品作には以上のようないきさつがあり、
その経験がいきて何とか出来上がりました。
桜の花びらをくりぬいたタテパーツ16本をシートを挟んでロープで締めこんで
立体にするというアイデア。
二つの要素とジョイント用のロープ、というシンプルな構成が気に入っています。
紙上のアイデアは試作を通して実現化しなくてはいけないと改めて感じました。
2シ-ターよりもシングルシーターの方がこのアイデアに適していると、
やってみてわかりました。
基本構造はスケッチの段階で発見するのですが、細部や力の流れなどは
現物を前にして、初めて答えが見つかるものです。
ロープの占め方や端部の処理などまだ生のところがありますが、
とりあえず安心して座れるイスになりました。
多少動きが生じますが、体の動きに追従する揺らぎみたいなものも
イメージの中にあり、想定内です。
ロッキングチェアーなどとはまた違った構造のものも
考えていきたいと思っています。