一つは結構しんどい感じの展覧会でした。
我孫子在住の上田靖子さんの展覧会、日本橋の千葉銀のアートギャラリーにて。
毎年案内はいただいているのですが、なかなか行けずにいました。
手頃なサイズのギャラリーに大きな作品を中心に数点。
ほぼ同じテーマでかかれていて、大きな印象として記憶に残る内容でした。
最近作は社会(世界)のそれも楽しくないけれど、目を向けなくてはいけない現実を
描かれているように思えました。
素晴らしいこと、素敵なこと、快適で心地よいこと、
元気で快活なことに視線も注意も行き勝ちですが、
一方で心して目を向けないといけないこともある、ということを気づかされる
そんなことを思わせるものでした。
その辺がデザインとアートの違いと言えるかも知れませんね。
もう一つの展覧会は銀座のINAXのショウルーム内のギャラリーで
明日まで開催しているもの、DMを見てどうしても見たいと思いました。
日本橋からそこまで歩きましたが、途中の「日本橋」を写真に撮りました。
高速道路にふさがれて、不気味な彫刻が小雨の中でいっそう不気味に佇んでいました。
橋の守り手なんでしょうか、それで不気味なんでしょうね、恐ろしげなんでしょうね・・・。
もう一つの展覧会は考えさせるのではなく、感じさせてくれるものでした。
私はこのてがとても好きなんです。
優しくて、穏やかで、心が静まっていくようです・・・、美しいです。
カン・イングという韓国の作家です。
バラスという砕石をステンレスのラインでひたすらつなげていく気の遠くなる作業
のはずですが、作るプロセスを全く感じさせないほどの瑞々しさがあります。
小さなスペースに2つの表現、それがさざ波のようにどこまでも静かに広がってくようです。