倉庫のコンバージョ ン
古い倉庫を改装して、学習サロンにしようという計画です。
鉄骨造で外壁はいわゆる生子板(波板)貼り、骨とぼろぼろの皮からなる建物です。
天井高は3.5Mほど、大きめの収納棚(ロフトのようなもの)があり面白くなりそうな雰囲気。
要求は学習塾ですが、得難いサイズの空間、新築だとこうはいきません。
限られた予算ですが、面白い場になる可能性を感じました。
まずは、子供達がノビノビできる場を作りたいと思います。
東側が桜並木、その脇をローカル線が走っていて、絵になる環境なのです。
ところ、と言えば福井県の鯖江という地方都市、私の故郷です。
地方には我々からすると面白いものが結構あったり、
空間的なゆとりがあるのですが、それを活かしたり、
必要としたりする需要が顕在化していないように思われます。
桜並木から「さくら亭」という名にしたのですが、
デザインの手掛かりもそこから来ています。
建物も、並木も、ローカル線も気に入りました。
北千住の「かほりや」の魚をモチーフにした建具を施主が気に入り、
桜並木に面したガラス戸に花びらの化粧桟を入れることにしました。
「さくらの花びら、舞う」というストーリー立てです。
とにかく面白い、楽しい、元気のよい場を作りたいと思います。
学習塾であろうと、何であろうと、・・・極端に言えば何でもよいのです。
様々な用途に使われ続けることが出来る建物、にすることが大事だと思うのです。
使い続け、様々な「魅力」が重ねられるような建物であること・・・・。
この仕事も例によって、DIYによるところが多くあります。
今ほど仕事が分化されていなかった頃に、普通の人の知恵により、
面白いものが多く作られてきたという現実があります。
お金を払って他の人にやってもらうというのが一般的ですが、
建築では素人でも出来ることが多くあります。
作り始めると知恵が出てきます。
DIYの可能性を実証したいと思っています。
地方ならではの空間的余裕、豊かさ、それを活かしたい。
必要なのは内的エネルギーの発露、その表現、行動。
ゆったりした風景の中で、小さなかわいい電車が絵になります。
こうした絵を存続させていかねばなりません。
そのために出来ることを考え、トライしていきたいと思います。