ＬＤＫは１７帖近くの広さありますが、２階に４寝室を取ったことによるためで、
個人的にはいささか広いように思っています。
外観も平面もシンプル、屋根面で集熱するというソーラーシステムの仕組みに
よるものですが、最近は作りすぎないということを意識しています。
お施主さんの手に渡って生活が始まる訳ですから、彼らに出来るだけ委ねるのが
良いと強く思うようになりました。

そのお施主さんも次の世代にわたしていく訳ですから、シンプルで住手の意向を
受け入れていくような住まいがある意味正解のようにも思われます。

我々設計者は設計の重心をどこに置くべきか、とても悩むのです。
どこまで私の世界か、どこから彼らの世界か、果たして彼らはいるのか、たまたま
今現在の彼らに過ぎないのではないか、次なる彼らにどんな風に引き継がれて行く
のだろうか・・・。

そのときの「こたえ」はあっても、それが次なる「こたえ」であるとは限らないのです。
多分これからの住まいは、その全てではないにしても、かなり長寿命のはずです。
しっかり作っていますから、それに広さも十分でないにしても、必要は満たしています。
建て直す必要は少なくなるはずで、後は気分をかなえるという贅沢な思いが
残るという状況になっていくのではないでしょうか。

そういう願望に応える構造の住まいであることが非常に大事になっていくと思われます。
我々設計者は表現したいという抗しがたい思いがあって、ついついやりすぎてしまう
きらいがあります。何十年もこの仕事にたずさわってきて、時代の流れの中で時の
常識のようなもので考えているのですが、長い時間に耐えることが出来るものを
作らないといけないとつくづく思うようになってきました。
なかなか形は見えませんが、シンプルさであったり、コンパクトさであったり、もちろん
丈夫さであっつたり・・・。