7月9日（金）
2泊滞在したVilla Stablesの母家は元医者の家だっただけあって、でかい家である。
食堂と台所は倉庫だったところを改装したらしい。
玄関からの廊下を左に曲がると奥さんの事務所、廊下との仕切りは間柱のみ庭を望むデスクにはiMacが置いてあった。
クリエイティブでそそられる。
廊下の正面はプライベートな居間、右手に食堂 台所、（庭に出る勝手口がある）そしてランドリー。
広くて、しっかりと手が入れてある。
台所から庭が十分楽しめる。床のタイルもオリジナルだそうだ。
大きなテーブルがアイランドに置かれている、キッチンと反対側は収納棚で長くカウンターが作られている。
食堂寄りの壁面に大きなオーブンがビルトイン。
新旧が巧く組み合わされている。実に居心地の良い場となっている。
食道には年代物のキッチンストーブ、冬の暖房用に使っている。
窓際にパントリー用のシンク組み込みのカウンター。
大きな花瓶一杯の生花。
アルコーブの棚は奥さんのコレクションと思われる陶器類。
ご主人は広告の仕事をされている、夫婦でクリエーティブ、自宅を自分のデザイン理論の実験場としているようにも思える。
共通する感性を感じて楽しく、嬉しかった。朝食はKipperを希望しておいた。
素晴らしい空間の中での朝食。ご主人が準備してくれた。
今思えばもっといろいろ聞いておけば良かった。ここにもまた来てみたい。
今日はこの周辺の村をドンの地図を頼りに場当たり的に見て廻る予定。 
ご主人に木工の作家を１人紹介してもらい、彼（ナイジェル）のアトリエを訪ねることとした。
Halesworthという小さな町の駅の隣に貸し倉庫があり 一画を友人と２人でアトリエとしていた。
木工・革・布・ 金属等いろいろな素材を使い、家具やバック等を手掛けている。
ガラスケースの中の作品や面白いスケッチも見せてもらった。
日本でも同じだが、作家活動の大変さを彼の話の中から強く感じた。
一時 教会をアトリエ蒹住いにしていたこともあったらしい。
中世に作られた村や教会で使われなくなって 打ち捨てられたままのものが結構あるらしい。
持参した私の作品集等も見せての草の根文化交流。
某ファッションメーカーからのオファーがあったり、 かって日本にも仕事で来たことがあるらしい。
今度日本に来るようなことがあったら、ぜひ連絡が欲しいといって、名刺を渡した。
この町のカフェで昼食。
娘はマッシュルームのスープとパン、私はサンドイッチと紅茶。蠅が一匹飛んでいた、珍しい。
車で周辺を走る。茅葺きの家がぽつりぽつりとあり、良さそうなものが見つかると、 ビデオに納めた。
何人かの人に声をかけたが、総じて建築への知識と関心は深いようだ。
何年頃に建てられ、スタイルは何？ についてはスラスラ答える人が多い。
たいていの村にはノルマン様式の凸型の塔を持つた教会がある。
12世紀頃のものらしい。
さらに100年ほど古いのが円形の塔でサクソン人が建てた。
その１つに偶然出逢い見学。塔は教会から離れて建っている。
教会の屋根は茅葺き。
インテリアはシンプルで小屋組は始めてみるユニークな形をしている。
学校の先生をやっているという男性がたまたまやって来ていて、いろいろと歴史を話してくれた。
このような小さな村の小さい教会でも歴史はしっかりと刻まれているようで、壁画は宗教改革時に一部削り取られたらしい。
祭壇の境のパネルにもそうした痕跡があった。千年近い歴史のある教会は今も使われている。
今日の夕食はジョージのLow Houseに昨日の帰り際、予約しておいた。
娘は自家製のハムとリンゴジュースとデザート、宗一はヒラメ、ビール、赤ワイン、 最後にコーヒー。
今日も満席。
評判の店とあって、近くの村や町からやって来るのだろう。飲酒運転はある程度OKらしい。
10時頃まで明るい。
パブからの帰り道、イギリスでの夕焼けを始めて見る。
きれいだった。
