7月7日(水)ゲストハウスを9時頃出発。
今日のコースはハドリアヌスの城壁を見てヨークまで。
万里の長城ほど有名ではないが、インターネットでTHE WALL(城壁)を検索すると、この2つが出て来る。こことヨークは娘が望んだ。
道沿いに一ケ所牧場の中にあり、すぐ近くの川沿いにも城跡があった。
ローマの時代より前からスコットランドとイングランドの境界には、地勢上の一線が引かれるべきところだったのだろうか。
兵舎、ヘッドクォーター(指令部)、浴場、4つの城門等の下層部が残っている。
紀元2世紀の初めに造られたらしい。 5世紀の初めにローマは引き上げる、その後の歴史の中で城壁として機能したのだろうか。
そして最後は建材として農家や民家の壁に再使用されたのだろう。
敷地内に小さな売店があり、そこのサンドウィッチとコーラで軽い昼食。
大分走ってきたので、地図と実際の道路の照合に馴れてきた。
時間を稼ぐには高速(M)だが、余裕があれば絶対にB道路がお勧め。
風景と小さな村や農家等を見て、楽しむことができる。
これまでは石の壁とスレートの屋根が多かったが、レンガと瓦屋根が増えてきた。
道路沿いの家々はよく手入れがされており、植栽もいきとどいている。
家並みが過ぎても道路沿いは、ガーデニングが延長されているようで、視線を遮るような大木もあるけれど実に快適に走れる。
中世の姿を残した町並み、城壁が3分の2ほど現存しているヨーク。
ハーフティンバー(真壁造:木のフレーム・フレームの間を石やレンガで埋める工法)の町家、せりだし、
傾きドイツのロマンティック街道そのものような市内にタイムスリップするように入城。
クリフォーズ・タワー脇の駐車場(PAY&DISPLAY)に車を止めて、長い階段を登りタワー(お城)を見学する。
屋根や床はなくなっていて、分厚い壁が残っている。上部が回廊のようになっていて、一周。
街が見渡せる。
ヨークの大聖堂は、格としてはカンタベリーの次らしいが、規模においてはNo.1らしい。
建設に250年の歳月がかかったとのこと、想像を超えた世界、ただただ‘凄い’と連発するしかない。
曲がりくねった中世の道から進む。全貌は見えず、部分がチラッ、チラッ、と見えるところがある。
1300年頃から造りはじめられたらしい。
膨大なボリュームは、実は詳細なディテールの気の遠くなる集積である。
緻密な計画と計算、造るための様々な体制。
それに持続する「大いなる」意思がなければならない。
『大聖堂』という建設の姿を描いた絵本に描かれている世界そのものだ。
異様に大きい大聖堂が、周囲の小さな民の家々中に屹立している姿。参道にあたる中世の路地の両側は土産物屋が並んでいる。
通りに店内が溢れ出ることがなく、通りはきれいだ。
6時少し前にスーパーに飛び込んで夕食の調達。ビールは一本では買えず、B&Bを探す途中で買うことにする。
観光案内所で教えられた地区のB&Bはどこも満室で別の幹線道路沿いになんとか見つける。ヨークも人気スポットということか。
四つ星で(Curzon Lodge &Stable Cottages)一泊2人で£72。
これまでで最高値。
オーナーは元執事風な上品な感じの初老の人。
母家は築400年、 アンティークな家具でしつらえてあった。
我々の部屋は別棟、元馬小屋の2階。12帖ほど。
小屋組を現しにして壁天井を白にペイントしている。
椅子と丸テーブルがあるのでここで食事できる。
部屋の一画にバスルーム。 狭いシャワールーム。
電気でお湯を作る。明日のルートを決め、眠りに付く。