千葉県柏市にある一級建築士事務所 游工房。オリジナルキッチンと天然素材のデザインリフォームを提案しています。

2005年04月05日

第15話 エディンバラ

sketch_015_01.gif 7月6日(火)朝食前に近くを散歩。
裏手の通りにもゲストハウスが幾つかあった。
建物も外構も植栽もしっかり作り込まれている。増改築中のものもあり興味深かった。
コンクリートブロックを内側に積み空気層をあけて外側にレンガを積む。
無筋でブロックとレンガはカスガイのような金物でブリッジ。 開口部は石を使うようで、加工されたパーツが置かれていた。
別の1階建ての現場は壁は積み上っていて、 2×8インチ位のたるき材が架けられていた。
こちらの建築現場で目に着くのは足場が十分なスペースを持って作られていること。
大きな建物ではバイクレースでも出来そうなくらいだ。

通りの反対から、ゲストハウスをスケッチ。
食堂は天井が高く、見切り部(枠類)には大袈裟なモールディング(面取り加工された見切り材)が施されている。

朝食:ここではおかみさんが食事を運ぶ係り。
シリアルが置いてあり、先ずそれを食べてからの人もいるが、食べ切れそうにもないので、パス。
卵はどうするか、紅茶にするかコーヒーか?
北のここでもイングランドと同じ内容の朝食。

近くのバス停よりバスに乗り市内に向かう。
バス代を払うのに小銭がなく、運転手に誰かに両替えしてもらえということで、何人かが応えてくれた。
地下鉄、駐車場、バス等小銭が必要なのに札が使えないところが多いけれど、お客同士でくずし合うみたいで、ちょっとした発見。
旅行者には小さな感動。 en015_01.jpg

エディンバラはキャッスルロック(お城が岩山に立っていることから) を頂点に丘の尾根沿いのロイヤルマイルを軸に街の基本形ができている。
坂の街で様々な眺めが楽しめる。
初期の街は今にすれば小さな部分に過ぎなく周辺に拡大しているが、中心が丘のため道路は非常に複雑である。

ニュータウン (新市街)と呼ばれる地域があるけれど16世紀の頃作られたもので、旧市街が如何に不便であったかを物語っている。
キャッスルロック脇の谷底に鉄道が通り公園を介して谷を登ったところからニュータウンとなっている。
こちらからの城の眺めが娘は好きで(彼女は以前に一度来ている)、公園へ下り、城を仰ぐようにアクセス。
ロイヤルマイルから直角方向に谷に向かって路地が階段状に付いている。
このクローズというエディンバラの名物を通ってロイヤルマイルに我々は浮上した。
緩やかな石畳の道が城に向かっている。 前の広場は夏の音楽祭に向けて、観客席の設置工事の最終段階だった。

エディンバラ城はケルト以前からの要塞としてイギリスの内戦や古い時代の外部からの侵攻に大きなポジションを占めてきたとのこと。
そして今も一部軍の施設として使われている。
各時代にそれぞれの必要で施設が作られ、歴史が刻まれ、積み上げられてきた。
イギリスの歴史は戦いの歴史であることをここでも知らされる。城も街も家も堅固な石造りでなければならなかった。
大勢の観光客、 様々な国の言葉が聞こえる、有数のスポットのようだ。

ロイヤルマイルを歩く。オールドタウン(旧市街)の名称の古い建物が、 ショップ、アートギャラリーを兼ねて解放されていた。
石積みの分厚い壁に木造のトラスがのっかっている。
基礎も一部掘り起こされている。
地盤が良いためでもあるだろうが、壁の亀裂をほとんど見ることはなかった。
崩れるものはとっくに崩れさり、現存するものは構造的には優秀なものばかりということか。
地震がないといっても、 石積みには何かノウハウがあるに違いない。 en015_02.jpg

お昼はテイクアウトのサンドイッチを店先のテーブルで食べ、エディンバラ博物館に入るが、 連日の歩きで疲れと足の痛さで、 ろくに見ることが出来なかった。
つながっているロイヤル博物館のホールでティーブレイク。
たいていの観光スポットでは入場料が必要だが、(エディンバラ城はE.H会員の娘は£4.75、私は£9.5。 日本円にして2000円、 安くない。)ここは大英博物館の向こうを張ってかフリー。新旧の建物がうまくつながりあって、 素晴らしい。
カフェは古いほうのホールにある。
木造と鉄骨の混構造で、屋根にはアルミフレームのガラスがかけられている。
メインフレームは木造。
馴染みの良さ、居心地の良さはデザインの良さもさることながら、新旧の巧い融合にあるように思う。
古いだけでもなく、新しいだけでもない心憎ほどの空間の質がある。

1日の最後はバスの市内観光で楽しんだ。20分位、 オープンエアの2階から市内の主な通りを見て廻る。
エディンバラは街全体が世界遺産。千年以上も建ち続ける石の建築と造形。
凄さをイヤというほど感じる。
この膨大なエネルギー、労働力、継続性は好みを越えて圧倒される。
そんな中で廊下のようなクローズのヒューマンサイズな空間はいかにも人間臭く、大きなこと、強いことだけ考えているんじゃないよ、 と語っているようにも思える。バスから建物越しにモダンな建築がほんのちょっとだけ見れた。
(後から建築の雑誌でスコットランド議会の建物であることを知った。)今日は運良く雨にあわなかったが、 さすが北の国バスの2階は夏でも寒かった。

夕食とビールを1缶買って帰路のバスに。
食事の後は明日の道順、 ヨークまでのプランを作り地図にマークした。

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