6月30日(水)窓からの眺めは牧場そのもの、囲いのある芝生の庭には何羽もの鶏と犬が1匹。
左手の小屋から庭を横切ってご主人が牧舎の方へ。 5時頃、農家はどこでも朝が早い。
しばらくすると今度はおかみさんがタマゴを手にして母家の方に、きっと我々の朝食用だ。
8時、朝食はイングリッシュ・ブレックファスート。
玄関を入るとすぐに居間があるがそこに食卓が置かれている。
ソファーが2組それぞれの窓際に、古めかしい衣装箱のようなものがセンターテーブル代わりに。
きちんとしつらえれば、絵になりそうだが余裕がないのだろうか、片付けはさほどされていない、残念。
建物の妻側にあたる部分に壁と一体の大きな暖炉(当時のかまどだろう)、その隣にプライベートな生活スペースへつながるドア。
窓は2ケ所。梁は現しで天井は低い。
床はじゅうたんが敷いてあり、さらにラグ(敷物)が何枚も。
床は外部の地面とほとんど同レベル、湿気はこないのだろうか。
娘が「日本はカビと虫の国」と盛んに言っていたが、外部に使っている木が腐らないのも、湿気のせいだろうか?蚊がいないのも助かる。
こちらでは網戸は一度も見ないし、外の置かれるベンチはほとんどの家で見られるし、変化の激しい気候にも関わらず、
豊かな戸外生活はその辺とも関係しているのだろう。
食後誘われて鶏の赤ちゃん(ひよこ)を見に彼等の部屋に行く。
コッテージの母家に水周りやLDKの生活空間を増築した構成となっているようだ。
壁には馬にまつわる写真がいっぱい飾ってあつた。
馬と共にの生活と家族が写真から伝わって来る。
おやじさんは朝食中、卵焼きをたっぷりのせたトーストを食べていた。
ここはLDKで、キッチンの隅っこの段ボールの中にひよこが何匹も育てられていた。
バイブリーへ谷間の川沿いの2つの村が合併されたところで、ウイリアム・モリスが絶賛したことで有名な村。
何軒かの土産物屋があるけれど、古い建物をうまく利用していることもあって、雰囲気が壊されているというようなことはない。
ガ-デニングが好きな人にはたまらないところと思われれる。バス1台分の日本人観光客が来ていた。
教会を見た後、公衆電話から日本に電話を入れる。「皆げんき?こちらも楽しんでるよ」
教会の隣に小学校があり、奥には大きな建物。
マナーハウスでホテルになっている。
ぐるりとその一角を廻るようにして正面からアクセス。
広い前庭があり右手がホテル、正面は小川、 そして左手は芝生の斜面が山というか丘というか、に続いて森に溶け込んでいく。
よい具合に植栽がなされていて、自然な「自然」 が展開、これぞ英国流の田園型庭園かとうならせる。
ホテルのラウンジでティータイム。
お年寄りの先客が何人かが巨大な居間だった部屋で新聞を読んだりおしゃべりをしている。
窓からは丘に続く庭と小川に続くコートのような閉じられた庭が臨める。
上流階級の気分を持合わせていないので、 我々にふさわしい場とは言えないけれど、建築と造園と自然の素晴らしい調和だ。
こちらの人が新しいものにあまり関心を示さないというも、こうした場を経験すると分るような気がする。
膨大なエネルギーと時間で造られたもの以上のものをどうやって造ることができるだろうか?どうやっても貧粗なものにしかならない。
裏口から先ほどの教会の裏庭を通り村の中心部へ戻った。
小川を越えて坂道沿いの通りは人でいっぱい、 ここはパンフレットの写真の場所。
建物は小振りで高さも低い、大地の高低に応じて造られそれぞれの家が連続していることもあって、
全体で1つの造形となっているのも大きな魅力。 もちろん規制があると思うけれど異質な建て物がほとんどないというのもすごいことだ。
「イギリスは正に観光立国」と、 その後も実感するけれど、その中で建物は決定的な要素、役割を担っている。